(Source: doggie)
ゆっくりと、一文節、一文節、想像しながら、読んで欲しい。
・象が、改札に、挟まる。
・雲の、ジュウザが、バイトで、遅刻。
・神輿を、かついで、水の、上を、走る、練習、in、市民プール。
・納豆が、友達。
・納豆を、着る、という、発想。
・納豆と、絶交。
内向的で友達の少ない子供は、校舎の中で人のいない場所をいくつか見つけているものだ。人の声はするけれど、そこには誰もいない場所。彼らにとって、そこはときに自分の家以上の安心をもたらす。
中学を卒業して直ぐにKGC(改造少女養成学校)に入学した。
親はやっぱり反対して、すごくケンカもしたけれど、最後には高校にも入るという条件で、許してくれた。そのときのわたしは、今では、その条件を出してくれた事を感謝している。
子供のころ、熱に浮かれたように憧れていたのは、セーラー服美少女戦士だ。ふつうの中学生というにはカラフルで美形の彼女達は、セーラー服を着た超能力戦士に変身して、人々を脅かす超常生物と戦う。わたしはテレビの前で、彼女たちの美しさにため息をもらし、悪と戦い続ける彼女たちが時折見せる女の子らしい笑顔を微笑ましく見つめ、辛いことがあって泣いてしまう彼女たちと一緒になって泣いた。
一度だけ、彼女たちが戦うのを、自分の目で見たことがある。
彼女達は、テレビで見るよりも美しく、そして強かった。小さな子ども達を襲った蛇女に鉄パイプでとどめをさしたあの映像は、少女の時代を過ぎてもなお、熱く思い出される。
それでも。
それでも、あのとき彼女たちを見なかったら、と思わずにいられない。
あのとき彼女たちをみなかったら、わたしはKGCに入る事もなく、右腕をフードプロセッサーに改造することもなく、週末に数十匹の野豚とたたかってウィンナーを作る事もなく、脇腹に蜂を飼うこともなく、休日に自費でアフリカのジャングルで毒蜂を採集することも無かった。そして、もしかしたら、大学に行ってすばらしいキャンパスライフを謳歌して、すてきな彼氏と結婚していたかもしれない。今とは違う、輝かしい未来があったのかもしれない。
右腕フードプロセッサー女。27歳。独身。わたしは今、とても後悔している。
文脈探偵「七眼黄泉 五徳(ななめよみ ごとく)」
「我々が知らないだけで、運命という物は存在する。運命という物語が我々の行動を規定し、または我々の行動が運命という物語を紡いでいる。その物語の文脈を読んでやれば、ある程度のこれから起こる『運命の推測』は可能になる。ただし、我々が小説や映画のあらすじを予測するのとはまったく違う。それとは別の新しい技術が必要だ。
『運命の法則』を利用して、未来を覗く。古来より、人々はその技術を磨いてきた。占い等もそのひとつだ」
「何が言いたいのかね! 七眼黄泉君」
警部がしびれを切らして声を発する。
探偵・七眼黄泉五徳は、その
「基礎知識の説明です。私の推理が、直観や超能力ではない、技術であるということのね」
「それは必要なのかね」
「……時間がないのなら省きましょう。」